16.08.27 映画「君の名は。」鑑賞後のあれこれ

公開2日目に行ってまいりました
考察というより感想に近いです
とはいえネタバレ含みますので映画がこれからという方は回れ右を推奨します







では。

まず初っ端からやられました。
映画館で観たアニメーション映画は、記憶にある限りではこれが3本目。
「あの花~」の後に「おおかみこども~」を観て以来です。
随分前の話とはいえ日本のアニメーション映画がどういうものかは知っていたはずなのに、
心のどこかで「実写>アニメ」というレッテルを貼ってました。
とんでもない話でした。アニメーションに関わる全ての皆さまごめんなさい

首都・東京のビル群、緑に覆われる日本の集落、空を裂くように落ちゆく彗星
圧倒的なリアリティを持って迫ってきました。
実在する風景は限りなく現実に近く再現されている一方、その中に、
想像の産物である登場人物たちが自然に溶け込んでいる。
現実と非現実の交錯。まるでマジックを観ているようでした。

物語全体を通して、過去と未来、田舎と都会、対照的な要素が次々と展開されます。
そのどれもが現代日本を象徴しているようで、心くすぐられるものがありました。

主人公の1人、三葉が暮らすのは飛騨地方と推測される地域です。
2時間に1本しか来ない電車、カフェもない片田舎。
その中で執り行われる伝統的な神事。
一方、2人目の主人公・瀧の住まいは日本の中心、東京。
そこでは開発が進み、高層ビルが競うように建ち並ぶ。
近代建築の校舎に通う高校生たちは屋上で昼食。
まるで正反対の風景は、どちらもこの日本に共存しています。
地方で生まれ育ち現在は都会で過ごす身としては、一時も目が離せませんでした。

この映画では、そんな三葉と瀧の「入れ替わり」が大きな鍵を握っています。
彗星が落ちて町を破壊するという悲劇を、入れ替わりを利用して2人が阻止する展開です。
この点について、一緒に鑑賞したとぅじさん(@p_sa1oooo4)と話したことがあります。
「なぜ、三葉と瀧だったのか?」

三葉については、彼女の家系の者が代々入れ替わりを体験していたこと、
彼女の育った町もまた、遠い昔に隕石の落下によってできたとされていることが明かされます。
三葉はこの点で、ある意味「選ばれた」のであろうと推測できます。
では瀧は?なぜ、三葉の相手が瀧だったのか?

ここからは個人的な考えになりますが...
物語の中盤、古くから伝わる慣習を執り行い同級生から揶揄された三葉。
たまらず東京への憧れを叫ぶ場面があります。
思わず膝を叩きそうになりました。「あぁ、三葉の気持ち、わかる...!!」

かつて、三葉のように地方で暮らしていた私も同じでした。
ここはいやだ。不便。何もかもが古い。都会へ行きたい。
田舎に暮らす少女にとっての「都会」とは、大阪でも福岡でもなく、東京なのです。
日本の首都。人、物流、経済、すべてが集結する唯一の場所。
そして日本全国どこからでも行きやすい・来やすい。
こんな場所は日本広しと言えど、東京だけだということは、地方民にも分かります。

大阪や福岡にお住いの方々、気分を害したらスミマセン。
そして「いや違う、大阪(福岡、その他都市)こそ都会の代表だ!」という異議も認めます。

しかし個人的には、三葉のこの「東京へ行きたい」という思いが「入れ替わり」の発端だったのではないかと思っています。

そしてその相手が、「東京」に暮らす者であったことに疑問の余地はありません。
強い思いは時間を、場所を超越する。
三葉と同じような経緯(入れ替わりは未体験ですが苦笑)をたどった身としては、
この作品のテーマの一つであるように思えてならないのです。

....「東京住み」の人間なんて瀧以外にごまんといるじゃねぇかという声が聞こえてきそうですね。私もそう思います(殴

これは...もう一回見ないとな...

 

もうひとつ、三葉と瀧であった理由について、

2人の名前という観点から展開したとぅじさんの考察(http://tl.gd/n_1sp204q)

がとても好きなのでぜひご覧くださいませ。

 

最後に、私がこの作品を観に行った最大の理由、

RADWIMPSの劇伴歌について 

期待しかしてませんでしたが、その期待を上回ってきました。

とはいえ、予想以上に音楽より本編のストーリーに惹きこまれていたので、

改めてアルバムを聴きながらこれを書いているのですが

RADの音が全開です。でも、一貫して映画を立てていた。

初回盤についていたDVDの中で、ボーカルの野田さんは

「バンドが劇中歌を作るというシチュエーションだからこそ、作曲家の方々にとっても、バンドにとっても新しい音楽を作りたい」

旨のことを話していました(ニュアンスです)

その通りの曲ばかりが詰まったアルバムです。

これは映画っぽいなと思うもの、バンドサウンドに近いなと思うもの

聴く者を飽きさせません。もう3回ループしてます。

この作品のほかにも映画のサントラを買った経験はあるのですが、

そのどれにもない、新鮮な気持ちで聴いています。

 

鑑賞中、RADファンとして何度もニヤッとしてしまいました(笑)

ああ、これはRADWIMPSの音だ。

LIVEで、CDで繰り返し聴いてきた、私の好きなRADの音楽

主役は映画ではありますが、RADも随所で主張してきていました

この文章に共感した方と語り合いたいです笑

 

ここまで読んでくださってありがとうございました!

LIVEに行きたくなってきた笑